概要

GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)、いわゆるGPSを使用したローバー(rover)の無人運転です。ローバーにはラジコンカーを使用しました。ラジコンカーの屋根にGPSを搭載しています。
1)PCで設定した経由地点(ウェイポイント)に従い、ローバーが自動運転します。
2)ローバーが自動運転で、スタート地点に戻ります。
自動運転ソフトウェアにはArduRoverを用いました。ラジコンカーにコントローラとしてPixhawkを搭載し、PCのソフトウェア(グラウンドコントロールステーション(GCS))にはMission Planner(ミッションプランナー)を使用しました。

GPSローバー

GPSローバー

ナビゲーション画面上の走行軌跡

ナビゲーション画面上の走行軌跡

 

動画

GPSを使用したローバーの自動運転の動画

説明

1.使用した部品

ラジコンカー No.347 ランチボックス 2005 58347(タミヤ 1/12 電動RCカーシリーズ)
スピードコントローラ QuicRUN-1060-Brushed(HOBBYWING)
サーボ MG996R(TOWER PRO)
バッテリー YB-L300A(YOKOMO) Lipo 30C 7.4V 3000mAh
コントローラ Pixhawk PX4 2.4.8フライトコントローラ
GPS Beitian BN-880フライトコントロールGPSモジュール
受信機 FrSky X8R 2.4G 16CH SBUSスマートポート全二重テレメトリ受信機
無線(テレメトリ用) ESP8266 WiFiモジュール(技適取得済み) ESP-WROOM-02 キット(waves)
電源モジュール Criusパワーモジュール28V 90A
電圧計 小型デジタル電圧計 赤 DC 2.5V~30V 2線式(KKHMF)
送信機(プロポ) FrSky Taranis X9 Lite Pro URUAV Edition
PC Windows 10 Pro  OMEN by HP 15 Corei7-8750H 32GB GeForce GTX1070 with Max-Q Design(8GB)

 

ローバーに搭載したコントローラ(Pixhawk)のファームウェアはArduPilotのものを利用しました。手順も、ArduPilotの説明をみて行いました。

PCのソフトウェア(グラウンドコントロールステーション(GCS))にはMission Planner(ミッションプランナー)を使用しました。

ArduPilot – Rover
https://ardupilot.org/rover/

Mission Planner(ミッションプランナー)
https://ardupilot.org/planner/

amazonの商品ページへのリンク
No.347 ランチボックス 2005 58347(タミヤ 1/12 電動RCカーシリーズ)

QuicRUN-1060-Brushed(HOBBYWING)

MG996R(TOWER PRO)

2.配線

コントローラPixhawkに付属品のスイッチ、ブザー、GPSを接続する。電源モジュールを接続する。

Pixhawk説明
https://ardupilot.org/rover/docs/common-pixhawk-overview.html#common-pixhawk-overview

PixhawkのRC端子と受信機FrSky X8RのS.Bus端子を接続する。
https://ardupilot.org/rover/docs/common-pixhawk-and-px4-compatible-rc-transmitter-and-receiver-systems.html

Pixhawkの、CH1にサーボモータ(前輪操舵用)と、CH3にESC(後輪駆動用モータ)を接続する。

https://ardupilot.org/rover/docs/rover-motor-and-servo-connections.html

●ESP8266の接続

遠隔PCとローバーに搭載したPixhawkをWiFi無線(テレメトリ用)で接続するために、ESP8266を使用する。

 

3.設定・調整

ローバーに搭載したコントローラ(Pixhawk)のファームウェアをMission Planner(ミッションプランナー)から書き込みます。
https://ardupilot.org/rover/docs/common-loading-firmware-onto-pixhawk.html

ESP8266にMAVESP8266のファームウェアを書き込みます。
https://ardupilot.org/rover/docs/common-esp8266-telemetry.html

遠隔PCとPixhawkをESP8266を使用して接続する設定を行います。

PC側の設定を行います。

ESC(後輪駆動用モータ)をNormalに設定する。

プロポの調整をします。

コンパスの設定と調整を行います。

モードの設定を行います。

フェイルセーフの設定を行います。

バッテリーモニターの設定を行います。

日本語スピーチを有効にします。

送信機(プロポ)の未使用チャンネルのエラーを解除するようパラメータを調整します。

モータテストの結果で、スロットルの最小出力を調整する。

4.接続と起動

1)送信機(プロポ)の電源をONする。
スロットルは全閉(一番下)、スイッチはOFFにしておく。CH5のモードはマニュアルにしておく。
2)Pixhawkの電源をONする。
3)PCのWiFiのSSIDでArduPilotのネットワークを選択する。
4)Mission Planner(ミッションプランナー)を起動して、UDPを選択し、接続をクリックする。
5)GPSがFixするまで待つ。
6)Pixhawkに接続しているボタンをONする。
7)ローバーのモータ用電源SWをONする。
8)「フライト・データ」メニューの「アクション」タブで「Arm/Disarm」をクリックする。

ミッションプランナーArmed

ミッションプランナーArmed

9)「フライト・プラン」メニューでウエイポイントを設定し、Pixhawkに書き込む。
10)送信機(プロポ)のCH5でマニュアル(Manual)モードのとき(CH5が上ポジション)、送信機で操縦できる。
11)送信機(プロポ)のCH5でオート(Auto)モードのとき(CH5が中ポジション)、ウエイポイントを経由して自動運転する。
12)送信機(プロポ)のCH5でRTL(Return-To-Launch)モード のとき(CH5が下ポジション)、スタート地点まで自動運転する。

<参考>

ArduPilot – Roverの公式ページ